飯後の茶事

冬至前日、社中において飯後の茶事が開かれました。
飯後の茶事というのは、お客様が食事を済ませてからおこなわれる
茶事のことで、懐石料理ではなく、簡略化した食事に
菓子と濃茶、薄茶をお出しする茶事です。
今回私はもてなす側(亭主側)でしたのでお茶事が始まる
2時間前にきて、準備を手伝いました。

今回は先生のアイデアで、通常主菓子に使う縁高に軽い食事を盛り付け
お弁当のようにいただく趣向にしました。
先生が盛り付けていらっしゃいます。

ご飯は鍋で炊いたものをひょうたん型に抜き、柚子をくり抜いた柚子釜に
さわら、なめこ、ほうれん草を蒸したものを。出し巻卵に合鴨ロース
そして菊のように飾切りした蕪。きれいです!全て先生が作られました。
出し巻卵は翻訳家のおびかゆうこさんが上手に焼いてくれました。
先生の盛り付け指示にしたがって縁高に詰めていきます。
お客様が蓋をあけると「わあ」という歓声が聞こえました。

今回、おびかさんは、なんと干菓子も手作り!
何度も茶事の前に試作品を作り、本番はこんなすてきな干菓子を持ってきてくださいました。ありがとうございました!

そして、今回のお茶事の秘密兵器?は
江戸文化研究家の森山暁子さんの3歳のぼうやのお茶事初舞台!
お母さんに付き添われながら、落っことさないようお菓子を運び
お客様にお出しして、おじぎもきちんとしてくれました!
その可愛い姿に社中一同思わず頬が緩んでしまいます。

この12月、同じ社中でご一緒に学ばせていただいた、大切な方が旅立たれ、
社中は悲しみと寂しさに包まれました。けれどそのあとのお茶事に
元気な生命力の塊であるこどもさんが、私たちにパワーを与えてくれました。
旅立たれたMさんのご冥福と今までの楽しい思い出、一緒に学ばせていただいた
幸福に感謝いたします。
今年最後のお茶事でした。来年の初釜までしばらく茶道はお休みです。