秋の茶室

先日の茶道のお軸は「和楽」でした。
先生のご結婚のお祝いに当時の恩師に書いていただいた色紙だそうです。

絵のような文字ですが、この文字は「金文」きんぶんといって、
古代中国の青銅器に彫られた書体だそうです。
「和」の偏は神の依り代になる竿を意味し、神前において誓約される
「和戦」の意味ということだそうです。
「楽」は「神楽」に用いられる「鈴」の形によるものだとか。
神前で和平の契約を交わし、お酒を酌み交わし、両手に鈴を持ち
舞い踊った古代の人々を思い浮かべてしまいました。
先生の落ち着いた声を聞くと、気持ちもなだらかになっていきます。
お花は秋明菊と矢筈薄です。まだつぼみです。
今年は我が家の庭も秋明菊がまだ咲きません。遅れている感じです。

こちらは昨年の秋の写真です。先生にいただいた、ホトトギスを
ススキと一緒に籠に入れました。
籠にお花を入れるのは、茶道では風炉の季節の10月までと決められています。
いろいろな決まりがあるのですが、茫洋としてしまう世界に
きっかり区切りをつけることは、心地よかったりします。