おばあちゃん、ぼくにできることある?

8月は茶道も夏休みだったのですが、先日から開始!
一緒にお稽古している、翻訳家のおびかゆうこさんから、新しく出版された
絵本をいただきました。

「おばあちゃん、ぼくにできることある?」
ジェシカ・シェパード作
おびかゆうこ訳
偕成社刊

仲良しの大好きなおばあちゃんが、このところ、いろんなことを忘れてしまいます。
やがておばあちゃんは介護施設へ引っ越します。
でも主人公の男の子は変らずおばあちゃんが大好きで、なにか自分でも
できることがあるかと、いっしょうけんめい考え、おばあちゃんのそばにいます。
可愛らしい絵で、とっても暖かい絵本です。
作者の方は、実際に介護施設で働いたご経験がある方だそうです。
巻末には、認知症について、お子さん向けの解説も入っています。
認知症についてなじみのない大人の方にもわかりやすいと思います。

実は私の母も認知症で長く介護施設でお世話になっていて、今も私は
毎週通っています。(お昼に食事介助に行くのです。)
毎日母のケアをしていただくスタッフさんには、本当に心からの感謝と尊敬と
親しみを抱いています。(なんといっても8年通っていますから)
この絵本には施設(おばあちゃんのあたらしいおうち)のことが男の子の
眼を通して描かれています。おばあちゃんの部屋があって、みんなの居間や食堂があって、スタッフさんがこんなふうにおばあちゃんをみてくれて、おばあちゃんには
おともだちもいて・・・みんなで助け合って暮らしているんですね。
そんな様子がふわんとした絵で描かれています。そんな絵本はもしかしたら
あんまりなかったかも、と思います。
おびかさんはご自分でこの本の翻訳をしたい!と企画されたそうです。
そして、「認知症をこどもにとって身近なものにしたい」という作者の思いから
この本は生まれたそうです。
この絵本のぼうやが「おばあちゃんのあたらしいおうち」と言ってくれているのが
嬉しいです。
私も「施設」と言わず「ホーム」と呼んでいるからです。
おびかさん、ありがとうございました!