11月 炉開き

11月になると、風炉から炉に変ります。
「炉開き」です。「茶人の正月」ともいわれます。

茶道では「炭手前」があり、お客様の前で炭を入れる所作を学びます。今の暮らしで、炭を使って火をおこす、ということは普通はないことと思います。茶道ならではの醍醐味と思います。
こちらは、「下火」を入れたところ。これにさらに大きな炉の炭をついでいきます。

炭は橡などの茶道専用につくられた炭を用います。これを火箸で掴んで美しく入れるのですが、箸使いが難しく・・・しっかり持たないと落としてしまうのです。
炉の炭は大きく、重いのです。
白鳥の香合の中には練香が入っていて、炉の中に入れ薫らせます。お香も風炉は爽やかな香りの香木、炉は深みのある練香、というように季節で変わります。


こちらの白く細い炭は枝炭といいます。しっかりつかむのは難しいです。

釜をかけました。練香の香りがゆっくり漂ってきます。
冬の午後の日差しは室内に長く入り、木々の影を畳にゆらゆらと作ります。


赤々と燃え盛っている炉の中です。
冬の茶室の美しい景色です。


10月のバラ

ようやく穏やかな気候になってきました。
先日の台風と大雨で私の友人も数人被害を受けた方がいて、
心配しました。千葉の友人のお店に少しばかりお手伝いに
伺ったのですが、友人のお友達が次から次にたくさん応援にいらして、とても暖かい気持ちになりました。

庭のバラさんも咲きはじめました。
この夏はハダニとカイガラムシに悩まされ、
歯ブラシで地道に取り除く、ということを繰り返し
ました( ;∀;)
でも秋のバラはやっぱり美しいです!

10月も今日で終わりですね。
穏やかな気候が続きますように!


秋の茶室

先日の茶道のお軸は「和楽」でした。
先生のご結婚のお祝いに当時の恩師に書いていただいた色紙だそうです。

絵のような文字ですが、この文字は「金文」きんぶんといって、
古代中国の青銅器に彫られた書体だそうです。
「和」の偏は神の依り代になる竿を意味し、神前において誓約される
「和戦」の意味ということだそうです。
「楽」は「神楽」に用いられる「鈴」の形によるものだとか。
神前で和平の契約を交わし、お酒を酌み交わし、両手に鈴を持ち
舞い踊った古代の人々を思い浮かべてしまいました。
先生の落ち着いた声を聞くと、気持ちもなだらかになっていきます。
お花は秋明菊と矢筈薄です。まだつぼみです。
今年は我が家の庭も秋明菊がまだ咲きません。遅れている感じです。

こちらは昨年の秋の写真です。先生にいただいた、ホトトギスを
ススキと一緒に籠に入れました。
籠にお花を入れるのは、茶道では風炉の季節の10月までと決められています。
いろいろな決まりがあるのですが、茫洋としてしまう世界に
きっかり区切りをつけることは、心地よかったりします。





台風通過と老人ホーム

とても大きな災害になってしまいました・・・
被災された方々にお見舞い申し上げます。

そんな中、浸水し孤立した川越の老人ホームの入所者さんが、
全員救助された、というニュースを見てとてもほっとし、感動しました。
10数年前の浸水の経験から職員の方々が日ごろから訓練されていたということです。
それにしても120人ものお年寄りを誘導し、救助するのは本当に
大変だったことと思います。(エレベーターも使えなかったとか・・・)

母を老人ホームに預けている私も、311の地震以来、常にどうしたら良いか考えているのですが
やっぱり現場のスタッフさんに少しでも力になりたいと思っています。今回は、スタッフさんの身体を休めるところが不足していると以前に伺っていたので
家人がキャンプに使うコッド(折り畳みの簡易ベッド)とマットを台風が来る前に
持っていきました。
必要かどうかわからなかったのですが、やっぱり泊りになったスタッフさんも多く(台風の最中は泊ったほうが安全)
結果、使っていただけました!
余計なことかも・・・?と迷ったのですが、やっぱり持って行って良かったです。入所者さんをケアして下さるのは現場の方々なので、その現場の方々を小さなことでも応援することが、ひいては入所者さんのためになると私は思っています。


それにしても、この激しい気候。
せめて穏やかな絵で・・・
なんとか日々を取り戻せますように。

再び台風に備えて

明後日の台風に備え、地植えのバラたちを低めに剪定し、
株元を竹竿で補強しました。
鉢植えは、明日午前中までに、全て室内に取り込みます。

猫のごはんも、非常食として2週間は余裕くらいを用意。
〆切が近いのですが、今日は買い物したり、母のいる老人ホームにいったり
外作業したりで1日落ち着かず・・・
どうぞ皆様も、くれぐれもお気をつけくださいね。

色ついた柿、鳥さんに早くもつつかれました。
それにしても、いつも思うのですが台風のとき、
鳥たちは、どうしているのでしょう?
どうやって身を守っているのかしら?
嵐のあとの鳥たちのさえずりほど、心が休まる音はありません。